パズルの軌跡―穂瑞沙羅華の課外活動 機本伸司著、ハルキ文庫刊

映画にもなった小松左京賞受賞作「神様のパズル (ハルキ文庫)」の続編です。
機本伸司さんのお話といえば、粒子加速器、バイオテクノロジー、恒星間宇宙旅行、有人宇宙飛行、量子コンピュータなど最先端技術を縦軸に、一癖、二癖ある登場人物達の葛藤や成長を横軸にするのが定番ですが、今回はテクノロジーの部分は薄めです。量子コンピュータや粒子加速器が登場はしますが、物語の重要な要素と言うわけでもありませんでした。

あえて、テーマは、と問われれば「幸せになり方はどこまでゆるされるか」と「エゴ、自我は悪か」でしょうか。確かにエゴ故に起きている問題や不幸は数知れないと思いますが、人間という生き物が自我がなく存在できるかも疑問です。人間は人間のまま、より良くなる(幸せになる)ことを目指すことを宿命づけられた生き物だと思います。「良く」というのも主として人間にとって、なんでしょうが。

物語中、悩める天才美少女科学者「穂瑞沙羅華」と平均的(以下?)新卒生(前作では大学生)「綿さん」こと「綿貫基一」のコンビは健在です。「綿さん」が「沙羅華」に振り回されまくるのも前作通り。ただ、振り回されてる綿さんの普通の感覚が以外と大事なことかも、と思わされます。ちゃんと普通にしてることって結構大変ですよね。

シリーズ番外編「神様のパラドックス 」のキャラクターを始め、色々伏線になりそうな設定や人物が登場していますので、二人の物語はまだ続きそうな気配です。二人の関係も、微妙に変わって来ている感じがしますしね。今後も期待、です。

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